京都洛柿庵ブログ

職人と道具


職人たちのお気に入り


1705blog
弘法筆を選ばず
本当の名人は、道具の善し悪しは問題にしないという例えですが、実際には空海は道具にうるさく、書体によって筆を使い分けたと言われます。達筆であった弘法様は、筆の善し悪しが良く解ったのでしょう。
どんなに良い道具でも、長年の経験がなければ、それを使いこなす事はできませんし、その良さも引き出せません。
その道に熟達した人であるからこそ、適切な道具を選ぶことが出来るというもの。 そこで今回、京都洛柿庵の誇る染めの職人達に普段使っている道具についての取材をしてみました。長年の愛用のものや、使いやすく工夫したもの等々、お気に入りの道具たちには、使う人の個性や仕事の特質などが現れていて、興味深く感じました。
京都洛柿庵の数々の商品を生み出すツールとルーツをご紹介します。





まずはこの道30年の染め職人愛用の道具をご紹介。
手に持っているのは『スキージー』という型染め用の道具。
小さいものから特大サイズの物まで棚にずらりと並んだ中から、この1枚を選ばれました。
丁度いい具合のしなりで、使いやすいとの事。
木製の持ち手に使い込まれてきた歴史を感じます。
いつも簡単そうにこのスキージーで染めておられますが、実はこれ、力加減が繊細で、とっても難しいのです。

1705blog





こちらは勤続18年の手描き職人の作業場。
たくさんの絵皿が並ぶ作業台の上に、1つ違うものが有りました。どこかで見たような…製氷皿??
何色かを少量ずつ必要な時にまとめて色を作り、これ1つで1枚描き上げることも出来るのだそう。使わない時には付属のふたをかぶせてまとめて保存。合理的です。
全体の色目の調子も分かりやすいのかもしれません。
細やかな色使いで描き上げる職人ならではの道具です。

1705blog



お次も手描き職人の制作現場。20年の経験者です。
木枠に張った麻生地の上に細い板を置き、腕の支えにしているもよう。これは絵を描く場面では特に変わった事ではないのですが、この腕を置く板がなんと物差しでした。
ただの木の板との違いは、竹の持つしなり。細筆で葉脈や蔓の絵などを手描きする時、柔軟な動きで腕を動かし易く、描きやすいそうです。もちろん長さも測れて2役機能。
繊細な筆遣いの秘訣の1つはこれだったのですね。

1705blog



そして最後は絵も書も得意なこの道30年の職人の道具。
お気に入りはありますかとの質問に、即出してくれたのが1本の大きな筆でした。(写真手前)
これは円相の一筆描きなど豪快な筆さばきで仕上げる時に使うもので、筆先は10cm程ありました。奥にある一般的な面相筆と比べるとかなりの大きさです。この筆も扱いが難しそうですが、そこは熟練者、これがお気に入りの1本という訳です。色々な表現が可能になりますね。

1705blog




以上、京都洛柿庵を支える職人達の"お気に入り道具"でした。
いずれも社内にある工房にて取材しました。
お店にお越しいただいた際に工房の見学も可能です。他にも沢山の道具が発見できるかもしれません。

柴犬壁紙

端午の節句

春新作

名入れ

会員登録

LINE


お客様の声

麻生地の価格改定のお知らせ 2022


ラッピングと熨斗について2


麻について


染めについて

カレンダー
  • 今日
  • 定休日
  • 休業日

ページトップへ